鎌倉にて道元が詠む(4)

4.山水経つづき

道元真筆 「山水経」「正法眼蔵」 全久院蔵  祥香臨 

原文:
「正法眼蔵 第二十九
 山水経
而今能山水盤古佛能道現成奈里

とも爾法位に従して、究盡能功徳を
成せ里空劫己前能消息なるがゆへに
而今の活計なり。朕兆未萌の自己な

るがゆへに現成の透脱なり。山の諸
功徳高廣なるをもて,乗雲の道徳
かならず山より通達春、順風の妙功さ

だめて山より逸脱するなり。」

道元禅師の真筆の写真を拝見し、臨書しています。端正な筆致で書かれていて、身が引き締まる思いです。

われわれの目の前にある山水は、諸仏の説法に他ならないと述べています。*①

             *①出典:正法眼蔵 ひろさちや NHK出版