一読の価値あり、孫過庭「書譜」(3)
3. 妙は神仙に擬する
一行目の六字目から
原文:詎若功宣禮
楽。妙擬神仙。猶セン埴之罔窮。
與工鑢而並運。好異尚奇之
士翫體勢之多方。窮微測妙
之夫得推移之奥跡。
大意:「まして書は人間教育の根本であるし、その妙味は神仙にも似て、変幻きわまりないものなのである。それはあたかも、陶工がやわらかい粘土をろくろにかけて、次々
いろいろな形のものを生み出す様に似ていると言えよう。
外見の奇異さを好む人たちは構成上の変化ばかりを追うけれども、その奥にひそむ
妙味を極めたい人は運筆の奥義を得ようと努力する。」
出典:「書譜」 今井凌雪編
書の妙味は姿形ばかりではなく、その奥に潜む深遠なるものにあるといえるでしょう。
それを言葉に表すのは困難であり、言を持ってしてもその実は異なるばかりです。
せめてできることは、分け入っていくことなのでしょう。