2021-10-06 / 最終更新日時 : 2021-10-06 タオ 思慕の情 宮仕へがなつかしく(1)建礼門院右京大夫集を書いて 1.心ならずも 作者の右京大夫は、自分の気持ちからではなく宮仕えを退くことになったのですが、そのわけには様々な説があります。一説には、資盛との恋が人の葉に上り居ずらくなったとか、また母の夕霧の看病のためであった、などと […]
2021-10-05 / 最終更新日時 : 2021-10-04 タオ 思慕の情 わずかな移り香も(5)建礼門院右京大夫集を書く 5.恋の形見に かつて、木枕という木製の枕の上に籾殻などを入れた布製の小枕をのせ、それをおおう紙を敷いていました。その紙が涙で色褪せてしまったので、 「うつり香も おつる涙に すすがれて かたみにすべき 色だにもな […]
2021-10-04 / 最終更新日時 : 2021-10-04 タオ 思慕の情 わずかな移り香も(4)建礼門院右京大夫集を書く 4.はなだの薄様の枕が 夜遅く目が覚めて、あれやこれやと考えていると、ふと涙がこぼれてしまったのです。朝になって枕元を見やると、 「つとめて見れば、縹の薄様の枕の、ことのほかにかへりたれば」 選字は、「徒とめ弖 […]
2021-10-03 / 最終更新日時 : 2021-10-03 タオ 思慕の情 わずかな移り香も(3)建礼門院右京大夫集を書く 3.知らないうちに涙が 人知れず、ほおをつたう涙に自分でもハッとするといった経験はないでしょうか。六行目から 「いと久しくおとづれざりし頃、夜深く寝覚めて、とかく物を思ふに、おぼえず涙やこぼれにけむ、」 選字は、「い登久 […]
2021-10-02 / 最終更新日時 : 2021-10-02 タオ 思慕の情 わずかな移り香も(2)建礼門院右京大夫集を書く 2.明るくなっていく月影も 作者が月にかかる雲を見て晴れるのかしら、と上を見上げながら詠んだ歌が 「見るままに 雲ははれゆく 月かげも 心にかかる 人ゆゑになほ」 選字を、「見流まヽ爾久裳はヽ連ゆ具月か介毛 こ […]
2021-10-01 / 最終更新日時 : 2021-10-01 タオ 思慕の情 わずかな移り香も(1)建礼門院右京大夫集を書く 1.雲が晴れても 思い人につれない態度をとられ、沈みがちな作者が、 「 同じことをとかく思ひて、 月の明き端つ方にながめゐたるに、むら雲はるるにやと見ゆるにも」 選字は、「於なしこと越登可具おも飛て月の あ可記者 […]
2021-09-30 / 最終更新日時 : 2021-09-26 タオ 琴線にふれる 蘇軾・秋の清々しさを詠う(10)和分與可洋川園池うち二首 10.何紹基について 最初に少し書きましたが、何紹基について改めて触れます。 何紹基は、学力の高さと公正さが評価され、しばしば科挙の地方試験の責任者として朝廷から派遣されていました。絶頂期には四川学政に任ぜられましたが […]
2021-09-29 / 最終更新日時 : 2021-09-26 タオ 琴線にふれる 蘇軾・秋の清々しさを詠う(9)和分與可洋川園池うち二首 9.秋の陽光が 「従教」〜するにまかせる「匹練」一匹のねりぎぬ。「匹」は反物の布帛を数える語で、2反を単位とする。「写秋光」秋の陽光を写す。 意味は、天が織った雲の錦と緞子が巻きおさめられたあとは、一匹のねりぎぬに秋の陽 […]
2021-09-28 / 最終更新日時 : 2021-09-26 タオ 琴線にふれる 蘇軾・秋の清々しさを詠う(8)和分與可洋川園池うち二首 8.天の機織り 七行目から 「巻却天機雲錦段 従教匹練寫秋光」 書き下し文は、「天機の雲錦段を巻却して ほしいままに匹練をして秋光を寫さしめん」 「巻却」巻いて取り除く「天機」天の機織り機「雲錦段」雲の錦 […]
2021-09-27 / 最終更新日時 : 2021-09-26 タオ 琴線にふれる 蘇軾・秋の清々しさを詠う(7)和分與可洋川園池うち二首 7.霜が降りたのに気づかない 書き下し文は、「貪り看る 翠蓋の紅粧を擁するを 覚えず 湖辺 一夜の霜」 意味は、蓮の葉を傘のように、さしかけてもらい、紅の化粧をした美人に見とれていたら、湖畔で一夜を明かし […]