2020-10-07 / 最終更新日時 : 2020-09-28 タオ 思慕の情 自然のいとなみを詠う(1)建礼門院右京大夫集から 1.帰ってゆく雁 建礼門院右京大夫集 祥香書 今回は、自然の風物をうたいます。「くらき空の帰る雁」、暗い夜空を帰ってゆく雁の意味です。 「花をこそ思ひもすてめ ありあけの 月をまたで かへるかりがね」 選字は、 […]
2020-10-06 / 最終更新日時 : 2020-09-21 タオ 思慕の情 松の間から見える桜花他(5)建礼門院右京大夫集から 5.遠き沢の春駒 遠い沢にいる春の馬、という題で詠んでいます。 「はるかなる野沢にあるる放れ駒 かへさや道の ほども知るらむ」 選字は「はるかなる野沢耳あ流ゝ八 奈れこま可邉沙やみち農ほ ともし留らむ」 […]
2020-10-05 / 最終更新日時 : 2020-09-21 タオ 思慕の情 松の間から見える桜花他(4)建礼門院右京大夫集から 4.夜深き春雨 「夜おそくなって降る春雨」という題意です。 「ふくる夜の ねざめさびしき袖のうへを 音にも濡らす春の雨かな」 選字を「ふく留夜の年佐免さ日し支 袖のう遍乎於と耳毛ぬら須者 るのあめ哉」 ここ […]
2020-10-04 / 最終更新日時 : 2020-09-21 タオ 思慕の情 松の間から見える桜花他(3)建礼門院右京大夫集から 3.日中の恋 今回の題は、「日中恋」、昼間の恋と意味深なタイトルです。 「契りおきし ほどはちかくや なりぬらむ しをれにけりな あさがほの花」 選字を「契りおきしほと者千可く やな利ぬらん志を爾希里 なあ […]
2020-10-03 / 最終更新日時 : 2020-09-21 タオ 思慕の情 松の間から見える桜花他(2)建礼門院右京大夫集から 2.遠い山の桜は白雲? 歌意の続きです。「山の皆の桜が咲いたらしい。緑の松の間から夕暮れに西に沈もうとしている太陽に白く輝いて、いつまでも消えないあの白雲よ」 遠山の桜を白雲と見間違える歌の例は、『古今集』以来多く見られ […]
2020-10-02 / 最終更新日時 : 2020-09-21 タオ 思慕の情 松の間から見える桜花他(1)建礼門院右京大夫集から 1.松の間から見える夕方の桜花 題詠歌はまだまだ続きます。「松間夕花」は、松の間から見える夕方の花、の意味です。この花は桜を意味しています。 「入日さす峯のさくらや 咲きぬらむ 松のたえまに たえぬ白雲」 選字は元の漢字 […]
2020-10-01 / 最終更新日時 : 2020-09-17 タオ 思慕の情 夏野の草や、水鶏よ(5)建礼門院右京大夫集 5.稲荷の社の歌合 「稲荷神社で歌合があった時の歌」で、「神社のあたりの朝の鶯」を題としています。なかなか凝った設定であるにもかかわらず、書き出しが「まろねして」はおもしろいと思います。一句目で肩の力がスッと向ける感じで […]
2020-09-30 / 最終更新日時 : 2020-09-17 タオ 思慕の情 夏野の草や、水鶏よ(4)建礼門院右京大夫集 4.所たがへのふみ 『源氏物語』の夢浮橋の巻に 「今日は、なほもて参りたまひぬ。所違へにもあらんに、いとかたはらいたかるべし」 浮舟が出家を決意し、現世の人間関係を断ち切ろうとしているときに、薫君からの手紙を受け取り、拒 […]
2020-09-29 / 最終更新日時 : 2020-09-17 タオ 思慕の情 夏野の草や、水鶏よ(3)建礼門院右京大夫集 3.私に約束し、他の女にも・・ 題は、「我に契り人に契る恋」で、私に約束し他の人にも約束する恋、の意味です。意味深なタイトルで、何か始まりそうです。あくまで題詠歌ですが、一首読みます。 「たのめおきし今宵はいかに待たれ […]
2020-09-28 / 最終更新日時 : 2020-09-17 タオ 思慕の情 夏野の草や、水鶏よ(2)建礼門院右京大夫集 2.連夜の水鶏 毎晩鳴く水鶏の意味ですが、急に「水鶏」とは驚きます。これは暗喩で、男性を待つ女性の視点から詠まれています。 「あれはててさすにともなき 真木の戸を なにと夜離れず たたく水鶏ぞ」 選字は、「あれ者てゝ […]