行書般若心経-菩提薩埵(2)集字聖教序より

2.わだかまりがないから
釈文:「無罣礙故。無有恐怖。遠離一才。顚倒夢想。」
書き下し文は「罣礙無きが故に、恐怖有ること無く、一切の顚倒夢想を遠離して」

鑑賞:あらゆるさまたげ、わだかまりがないから、恐怖もない。『法句経』に「心に煩悩なく、思慮惑乱せず、善悪を喜捨し、覚醒せる人には恐怖あることなし。」とある。

心に何かわずらうことがなく、思いに乱れることもなく、善悪を離れ、真摯に目覚めた一日な恐るものがない、という。

参考文献:般若心経講和 鎌田茂雄著 講談社学術文庫