行書般若心経-無智亦無得(1)集字聖教序より
1.智も無く
釈文:「無智亦無得」
書き下し文は「智も無く、亦た得も無し。」
鑑賞:一切の万物はすべて「空なる状態」にある。「五蘊」もない。「十二処」もない。「四諦」もない。このように「空」と体得することが般若の智慧であると心経は説いてきた。
そして、その空なりと悟ることが般若の智慧を体得することだと理解して、とらわれてしまう。手に入れたいと願い、手にしたと思えば握りしめてしまう。
そうではないのだ、とここで述べる。さらに続く。
参考文献:般若心経講義 高神覚昇著 角川文庫