行書般若心経-諸法空相(2)集字聖教序より
2.不生不滅
釈文:「不生不滅」
書き下し文は「不生不滅なり」
鑑賞:この世界のあらゆる存在は、皆、空であるのだから、生ずるといっても、新しく生ずるものではない。滅するといっても全てが一切なくなってしまうのでもない。
生き死ににとらわれる心を離れれば、生もまた死であり、死もまた生である。といっても、自分の意識で離れようとするのではなく、おのずからわきへ置いていられる境地である。
これを解脱といったり、悟りと呼んだりする。般若の智慧である。
参考文献:般若心経講義 高神覚昇著 角川文庫