あかつき起きの文に御返歌五首(7)和泉式部日記より

7.そのまま夜を
釈文:「いとあけがたかりつるをこそ』とあるに、なほものきこえさせたるかひはありかし。」

選字は「い登あ介可た可りつる越こ所とあ流二奈ほ支 古盈さ勢多類可飛はあ里可志」

鑑賞:「いとあけがたかりつるをこそ」そのままで夜を明かすことなどできませんでしたよ。「あけ」は夜が明けることに、門を開けることをかけた。

「なほものきこえさせたるかひはありかし」は「思ったとおり文を差し上げただけのことはありました。」

参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社