西行筆と伝えられる山家心中集は(1)臨書して
1.山家心中集とは
『山家心中集』とは、西行(1118〜90)が自詠歌三百六十首、贈答の他人歌十四首を、花・月・恋・雑に分けて晩年にまとめた自撰歌集である。
末尾には藤原俊成(1114〜1204)との贈答歌があり、成立は承安末年(1175)頃と考えらている。
この伝本については、二系統あり、「妙法院本」(伝冷泉為相筆本)と「伝西行筆本」である。このうち「妙法院本」は鎌倉時代後期の写本で、筆者を冷泉為相(1260〜1328)と伝えている。
今回は「伝西行筆本」を取り上げる。
参考文献:山家心中集 高橋佑次 二玄社