恋すれば私の身は(3)関戸本古今集を臨書して
3.恋をしたら
「恋すれば 我が身は影となりにけり
さりとて人に そはぬものゆゑ」
選字は、「こひす連はわ可みはか希とな利爾介
利さ利とて悲と爾曽はぬ毛のゆ衛」
鑑賞:「こひす連は」はシンプルな文字を使いながら動きは左右に中心をずらし
ながら広がっています。「わ可みは」の「は」は前の字とやや小さめに
「み」を合わせて右へ働きかけています。
一行目の下に「爾介」と畳むように書き、二行目はゆったりと運筆して
います。「悲」で左へ張り出し、終句へ向かって文字を凝縮して密度を
まして終えています。
参考文献:関戸本古今集 二玄社