松のように志を高く持って生きよう(5)米芾「擬古」より

5.柏もまねるでしょう

米芾 擬古

柏見吐子効
 鶴疑縮頸還


書き下し文は「柏は子(たね)を吐くを見て効(なら)い 鶴は疑いて頸を縮めて還る」
「柏」:コノテガシワなどの常緑樹
「吐子」:種子を吐く

「効」:ならい真似る
「鶴疑」:鶴が疑うとは、身分の高い者が恥じることか。
「縮頸還」:首をすくめて帰る

意味は、柏も常緑樹としてタネを吐くさまを見て、真似をするだろう。鶴は恥ずかしそうに首をすくめて帰っていくであろう。

鑑賞:「柏」の横画をたっぷりと墨を含めて書いています。印象的な墨つぎの箇所は、右側の行の渇筆と対しています。
 参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明著 二玄社