顔回は旅に出たいと願った(1)荘子を書く

1.どこに行くのか

荘子 祥香書

今回は、「人間世(じんかんせい)篇」第四から荘子の思想をひもときたいと思います。「人間世」とは人々の交わる世の中という意味です。旅に出ると申し出た顔回に仲尼(孔子)がたずねる場面です。

 「顔回見仲尼、請行、曰、奚之、曰将之衛、曰、奚為*焉、曰」*脱字

意味は、顔回が仲尼に旅に出ると願い出た。どこに行くのか、と尋ねると衛の国にゆくと答えた。孔子が弟子の顔回に質問をするかたちで、人々の交わる世の中の生き方を説いていきます。

顔回の意図がこれから明かされていくのですが、なぜ彼は師匠の元を離れて、出かけようとしているのでしょうか。
 参考文献:荘子 金谷治訳注 岩波書店