庖丁を持つと(4)荘子を書く
4.手先の技以上のものを
庖丁が答えていうには、
「臣之所
好者道也、進乎技矣、始臣之
解牛之時」
大意は、私が好ましいのは、道でございまして、手先の技以上のものです。始めに牛を解体した時は。
技よりも道であると話す庖丁は、ただの料理人ではないでしょう。実際に会得した者だけが語れることだからです。日本の伝統文化には、道がつくものが多くあります。
茶道、華道などの芸術や柔道、剣道などの武術、書道もそうです。これらが求めるものは、技術だけではなく、より深いところにあるのでしょう。
参考文献:荘子 金谷治校注 岩波書店