書いてみたい山頭火(2)漢字かな交じり書
2.ここまでの
山頭火、本名は種田正一、1882年(明治15年)山口県防府市八王子に生まれました。地主の家に長男として生を受けました。しかし、母の自死や自分の酒癖の悪さなどがあり、変転の多い暮らしを送ることになります。
山頭火といえば、放浪、行乞のイメージですが、そこには浮世を離れた、というより人間的な面が見られます。「漂白の俳人」という言葉は、西行や芭蕉という先達を思い出すかもしれません。
ただ、山頭火は明治時代に生まれた近代人であることから、西行や芭蕉とは異なります。これまでの「家」の意識に抗うように、「個」を前に出し、自我との葛藤に苦悩する姿があります。
この句では、どこかほっと安堵するような、親しさが感じられます。
参考文献:山頭火大全 岡田洋司 講談社