小さいものと大きいもの(4)荘子を草書で書く

4.うずらが笑う

荘子

 「且適南冥也、斥鷃笑
  之曰、彼且奚適也、我騰
  躍而上、不過数仭而下


読み下し文は、「且(まさ)に南冥に適(ゆ)かんとするなり。斥鷃(せきあん)これを笑いて曰く、彼且に奚(いづく)へ適(ゆ)かんとするや。」

(この鳳は)そこで初めて南方を目ざして南の海へと天翔ろうとするのです。(斥鷃)うずらがそれを見て笑って言った。『あいつはいったいどこへ行こうとするのだ。こっちはうんと飛び上がっても数仭(一仭は約180センチ)で落ちてしまうというのに。』

「斥鷃」は『釈文』に「斥」は小沢「鷃」は鷃雀といい、沢に住む雀に似た小鳥、とある。
参考文献:荘子 金谷治訳注 岩波書店