蜩と鳩が鵬を笑う(5)荘子を草書で書く
5.狭い知識では
「小知不及大知小年
不及大年」
読み下し文は、「小知は大知に及ばず、小年は大年に及ばず。」
意味は、「狭小な知識では広大な知識は想像もつかず、短い寿命では長い寿命のことは及びもつかない。」*①
「知」は会意文字で「口」+「矢」「口」はいのる言葉の意味。「矢」はやの意で、矢をそえて神意を知ることから、「知る」の意味を表す。*②
現代で知識といえば、書物を読んだり、外部からの情報を得て、知っていることを指すでしょう。しかし、かつて「知る」という言葉は神のこころを自分のものとすることでした。
本当に広く「知る」ということはどういうことでしょうか。一緒に考えていきたいと思います。
出典:*①荘子 金谷治訳注 岩波書店
*②新漢語林 大修館書店