恋などするまいと思っていたのに(4)建礼門院右京大夫集
4.実家にて
恋の悩みで、思いがさまざまに乱れていた頃、「里」(実家)に帰っていました。
「里にてはるかに西の方をながめやる、こずゑは夕日の色しづみてあはれなるに、
またかきくらししぐるるをみやるにも」
用字は「散とに天盤る可耳ゝ
志農方越奈可免やるこ春衛者
遊ふ日のい婁し徒三てあは連
奈流耳万堂か支久羅しゝ九
るゝを見留爾毛」
現代語にすると、「実家に帰って遠く西の方を見ると、梢には夕日の光が弱々しく、胸に迫ってくるし、さらに空が曇って時雨てくるのを見ていると」
参考文献:建礼門院右京大夫集 新潮社