読みにくいかな古筆を読んでみる(1)


かな書道作品を読む時に必ず出てくる問題は、読めないということです。
これは、現在使われていない読み方で、漢字を音として読んでいるから
です。

1.成り立ち History
かなには大きく分けて、万葉仮名、草仮名、平仮名と片仮名があります。
万葉仮名は、漢字の音訓をやまとことばに当てて読ませたものです。
草仮名は、それをくずした(草書のように書く)ものです。

平仮名と片仮名は平安時代に万葉かなを元に作られました。
片仮名は漢字の一部を使って表されます。例えば、「伊」の偏だけを使い
イと表記するものです。カタカナは、音だけを表しているということは、
誰でもご存知でしょう。

この漢字を用いて、意味ではなくて、音だけを表している平仮名のうち
現在使われていない文字が、変体かなです。
例えば、「あ」と読んで欲しくて、安、阿や愛を使います。

これが、現在と異なるので読みづらい問題が生じる訳です。
次の回では、実際のかな古筆をみてみましょう。