和泉式部日記を書く(七十三)-しのびたる人の-(2)
2.色にいで
釈文:「色にいで 人にかたるな むらさきの ねずりのころも きて寝たりきと」
選字は「色に意て人爾か多留那無ら佐支農 年須りのこ露毛幾弖寝多里き登」
鑑賞:この歌は『古今集』恋三「恋しくはしたにをおもへ紫の根ずりの衣色にいづなゆめ」による。
「むらさきのねずりのころも」は「色」と縁語。「きて」は「来て」と「着て」をかける。
歌意は「紫草の根で染めた直垂をさしあげたことを人にはおっしゃらないでください。あなたが私のところへいらして、休んだことは。」
参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社


