和泉式部日記を書く・秋(8)-虫-

8.なく虫の
釈文:「なく虫の ひとつこゑにも 聞こえぬは こころごごろに ものやかなしき」

選字は「虫 な倶無し乃日登つこ衛耳毛聞こ盈 努八こヽ楼古ヽ露爾茂のや可那し支」

歌意は「虫の鳴く声も一様ではないのは、それぞれに異なる悲しい思いを抱えているからだろうか。人である私の思いが、他の人に理解してもらえないのも当然であるのだが、やはり悲しい。」

鑑賞:「花山院歌合」の十題歌の一つである。


参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社