月見ぬ夜・更けての文(1)和泉式部日記を書いて
1.便りもなく
釈文:「かくて、二三日、音もせさせ給はず。頼もしげにのたまはせしことも、いかになりぬるにか、と思ひつづくるに、寝もねられず。」
選字は「か久亭二三日於ともせ佐勢多万盤寸頼毛 し希爾能多まはせしこ登もい可に 那利ぬ流耳可と思ひ徒ヽ九る二寝毛年ら 連須」
鑑賞:「頼もしげ」以前に宮が女を邸へ誘ったこと。
大意は「こうして数日経ったが、宮は文もよこさず、これからどのようになるかと思いながら、寝られない。」
参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社