霜白き朝に童が遅れて(2)和泉式部日記から

2.童は
釈文:「『童、参りたりや』と問はせ給ふほどに、女も、霜のいと白きに、おどろかされてや」

選字は「童まゐ利多里やとヽ盤 せ給布ほと耳女も霜のいと白支におと路可さ 連てや」

鑑賞:「童、参りたりや」宮がいつも女の下へ遣わしている童が来ているか尋ねる。しかし遅れて間に合わない。そうしているうちに女の方も霜が白く降りたのも見て、目がすっかり覚めたのか歌をよこす。

参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社