宮様から代詠を頼まれて(1)和泉式部日記を書いて
1.つごもりかたの文
釈文:「かくて、つごもり方にぞ御文ある。日ごろのおぼつかなさなど言ひて、『あやしきことなれど、日ごろもの言ひつる人なん遠く行くなるを」
選字は「か九て徒こもり方に曽御文あるひ故ろ農お本つ可 那さ奈と言比て愛やし支こと難連とひこ路毛 乃伊飛つ流日と奈无遠久行九多る越」
鑑賞:「日ごろもの言ひつる人」は、宮さまが長い間お付き合いしていた女性の一人。
大意は「宮様から9月下旬にお手紙があり、日頃の無沙汰を詫びてから、妙なお願いなのだが、私が親しくお付き合いしていた人が遠くへ行ってしまうので」
参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社