初夏に薔薇ひらき、酒初めて熟す(2)和漢朗詠集より

2.石に苔が薄く

釈文:「苔生石面軽衣短、荷出池心小蓋疎」
書き下し文は「苔石面に生ひて軽衣短し 荷池(はちす)人より出でて小蓋疎かなり」

鑑賞:「池心」池の中心。池の底ではない。

現代語にすると「石の面に苔が薄く生えているのは、軽い衣をまとっているようだ。まだ苔は短く、池の中心から蓮の若葉が出ているのは小さい盃をまばらにかざしたようだ。」

参考文献:和漢朗詠集 川口久雄訳注 講談社学術文庫