初夏に薔薇ひらき、酒初めて熟す(3)和漢朗詠集より

3.卯の花の垣根は

釈文:「わがやどのかきねや春をへだつらん 夏きにけりとみゆる卯の花」

選字は「わ可やとの可支ねや者るをへた徒ら无 なつ支に介りとみゆるうの者那」順

鑑賞:『拾遺集』『拾遺抄』夏に「屏風にしたがふ」として出。また『源順集』にも屏風歌の中に「四月卯の花さける所」と題して出る。

現代語にすると「わが家の垣根は、春と夏とを隔てる垣根だったのか。垣根いっぱいに咲いた卯の花が夏の訪れを知らせている。」

参考文献:和漢朗詠集 川口久雄訳注 講談社学術文庫