深まってゆく春の日に詠じて(1)和漢朗詠集を書いて

1.柳の枝が

釈文:「拂水柳花千万點 隔鶯舌両三聲」
書き下し文は「水を払ふ柳花は千万点 楼を隔つる鶯舌は両三両」

鑑賞:「柳花」柳のわた「楼」重層の建物。

現代語にすると「柳の枝が数え切れないほどのワタのような花をつけ、池の水面に垂れて水を払っている。うぐいすが二声三声、楼を隔てた向こうの方から鳴くのが聞こえる。」

参考文献:和漢朗詠集 川口久雄訳注 講談社学術文庫