つごもりの日、しのび音のほととぎす(14)和泉式部日記より
14.気おくれがして
釈文:「おぼえて、いとおろかなるにこそなりぬべけれど、日ごろは、『すぐすをも忘れやするとほどふれば いと恋しさにけふはまけなん』」
選字は「お寶え亭い登お路可奈るにこ所那里 ぬ邊介れと日許ろ者 『春久須をもわ寸連や春流と寶と布れ者 度こ比しさ耳遣ふ者満計奈无』」
大意は「気おくれがして伺えなかったのですが、日頃は『近ごろお会いしていませんが、これは時が経てば忘れられるかと考えてのことです。でも、今日はどうしても恋しさに負けてしまいました。』」
参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社