つごもりの日、しのび音のほととぎす(3)和泉式部日記より

3.五月の始まりに

釈文:「しのび音は苦しきものをほととぎす 木高き声をけふよりは聞け」

書き下し文は「し能飛年者九流志支ものを本とヽ記寸 木多可幾こ衛乎希ふよ理者支遣」

歌意は「声をひそめて鳴くことはほととぎすにとっても苦しいことです。五月になった今日からは高い木立で鳴く喜びの声を聞いてください。」

参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社