つごもりの日、しのび音のほととぎす(4)和泉式部日記より

4.女はお寺へ

釈文:「とて、二三日ありて、しのびてわたらせ給へり。女は、ものへ参らんとて精進したるうちに、いと間遠なるも、心ざしなきなめり、と思へば」

選字は「とて二三日阿利弖志能飛てわ多羅せ多ま 遍り女者裳乃へ万非ら无とて精進し 堂流う遅耳いと満と本なる茂心さ 奈幾那免里登思遍八」

鑑賞:「精進」仏道修行に専心すること。一説に故為尊親王の供養とする説がある。「うちに」はその上にでその間にではない。

大意は、「女はお寺に参拝しようと仏道に専心している上に、とても宮様の訪れが遠のいた。本当の愛情はないらしいと思って」

参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社