後の世語りにも(1)和泉式部日記から

1.はかなき夢を

釈文:「かくて明かすべきにや、とて、
はかなき夢をだに見て明かしては なにをか後の世語りにせん」

選字は「か久天明可春遍支耳やとて 
は可毛那支夢を多耳見弖あ賀して八 難爾遠可能遅のよ語り二勢无」

歌意は「はかないという夢さえ見ずに夜が明けてしまうことになっては、今後のお会いしたときににどのようなお話をしたらいいのでしょうか。」

参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社