夢よりもはかないあの方との間を(4)和泉式部日記を書いて

4.築土の上の

釈文:「築土のうへの草あをやかなるも、人はことに目もとどめぬを、あはれとながむるほどに」

選字は「築土乃う邊能草阿をや可 奈流毛人盤こ登二めもとヽ免ぬをあ者 れと奈可無るほと耳」

鑑賞:「築土」泥土を盛って築いた塀で、雑草が生える。『文選』の「青々陵上柏」などの古詩によるとの説がある。

現代語にすると、「泥土を盛って築いた塀の草が青々と鮮やかなのに、人はとりたてて目もとどめないのを、しみじみと感慨にふけりながら見ていると」

参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社