夢よりもはかないあの方との間を(5)和泉式部日記を書いて

5.人の気配が

釈文:「近き透垣のもとに人のけはひすれば、たれならんと思ふほどに、故宮にさぶらひし小舎人童なりけり。」

選字は「近支透垣の毛登 爾人農希者比春れ盤多連なら无と 於母ふ本と二故宮爾佐布らひし小舎人 わ羅者那里介利」

鑑賞:「透垣」(すいがい)はスキガキの音便。竹や板などで間を透かして作った垣。「故宮」は故為尊親王。

大意は「近くの透垣に人の気配がしたので、誰かしらと思っていると、故宮に仕えていた小舎人童だった。」

参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社