昔からの友を訪ねて田舎の家へ(4)孟浩然の詩から

4.重陽の節句には

釈文:待到重陽日 還来就菊花」
書き下し文は「重陽の日に到るを待ちて 環た来たりて菊花に就かん」

現代語にすると「重陽の節句の日になったら、またやってきて菊の花を見たいものだな」

鑑賞:「重陽日」陰暦九月九日。重陽の節句。その日には「登高」といって丘に上る行楽の行事があり、菊花の酒を飲む習慣があった。

「就菊花」近づいて菊の花をめでる。「就」は近づく。よる。
書の特徴:「陽日」では「陽」の下に「日」を思い切って小さく書き余白を作っている。次の「還」は文字の動きが大きく左右へ振っている。「来就」はあたかも一字かのように字間を詰めて一体感を出している。

参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明著 二玄社