天の河にかささぎが翼を並べて(2)建礼門院右京大夫集から
2.岩の枕は
釈文:「七夕の 岩の枕は こよひこそ 涙かからぬ 絶え間なるらめ」
選字は「七夕のい盤能枕者こよ飛故曽奈三多 閑ヽ羅ぬ多え満奈るら免」
鑑賞:「岩の枕」天の河原の岩の上でひそかに逢うことをいう。底本『九州大学附属図書館細川文庫本』では「たもと」を諸本により「たえま」と改めた。*①
歌意は「七夕の織女の岩の枕は、悲嘆の涙で濡れているけれど、彦星に逢える今宵だけは涙のかからない絶え間なのだろう。」
出典*参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社