天の河にかささぎが翼を並べて(1)建礼門院右京大夫集から
1.あわれと思って
釈文:「あはれとや 思ひもすると 七夕に 身のなげきをも 愁へつるかな」
選字は「あ盤れとや思ひも春流と七夕尓み農 那希支遠毛愁へ徒る可奈」
歌意は「私の身の上をあわれと思ってくれるかと、織女星に私の悲しみとなげきを訴えたことだ。」
鑑賞:「あはれとや 思ひもすると」とは年に一回しか牽牛と逢うことのできない織女なら、待っても来ない人を待つ我が身の悲嘆をわかってくれるかと思う、の意。
参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社