彦星と織女が出逢ふ・六首〜十二首を書いて(7)建礼門院右京大夫集より

7.次の逢瀬まで

釈文:「年をまたぬ 袖だにぬれし しののめに 思ひこそやれ天の羽衣」

選字は「度志をまたぬ袖多耳努れ志ヽ農の免二 於も日こ楚や連天の羽衣」

歌意は「一年を経ないでも逢うことができた私でさえ、別れに東の空が白んできた時には袖が涙で濡れたものだ。ましてや一年も逢えない織女の袖はどれほど濡れていることだろう。」

参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社