七夕の日にちなみ五十一首を(2)建礼門院右京大夫集から
2.織姫のうれしさは
釈文:「七夕の けふやうれしさ 包むらむ
あすの袖こそ かねて知らるれ」
選字は「七夕の希婦やう連志佐つヽ無ら无
阿春能袖こ曽閑年てし羅るれ」
歌意は「七夕の今日、織姫星は牽牛星との年に一度の逢う瀬で、袖に包みきれないほどうれしいだろう。でも明日は別れの涙でその袖がぬれるだろうと、もうわかっている。」
鑑賞:「うれしさ(を袖に)包む」はとてもうれしいことの意。「うれしさを昔は袖に包みけり今宵は身にもあまりぬるかな」『新勅撰集』読人しらず
参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社