「蓮」の詩歌を臨書して(4)和漢朗詠集から
4.池のほとりの
釈文:「岸竹條低応鳥宿、潭荷葉動是魚遊」在昌
書き下し文は「岸竹條低れり鳥の宿(い)ぬるなるべし
潭荷葉動くこれ魚の遊ぶならむ」
現代語にすると「池のほとりの竹の枝がしなっている、きっと鳥が宿っているのだろう。池の蓮の葉が揺れているのは、水の中で魚が遊んでいるのだろう。」
鑑賞:下の句は李嶠の『百詠』に「魚戯れて紺(あを)き葉を排(ひら)き、亀浮んで緑の池に見はる」とあり、謝眺の「遊東田」詩に「魚戯れて新荷うごく」とあるのにもとづく。
「李嶠雑詠残巻」は筆者を嵯峨天皇と伝えられている。欧陽詢の書の強い影響を受けたもの。李嶠詩の世界最古の写本として知られる。
参考文献:和漢朗詠集 川口久雄訳注 講談社学術文庫