蘇軾の行書・榿木詩巻を臨書する(6)杜甫「堂成」から
6.しばらく止まる
釈文:「蹔下(止)飛烏將數子」
書き下し文は「蹔(しばら)く下(止)る飛烏(ひう) 數子を將(ひき)い」
現代語にすると「烏が子を連れてとんできて、しばらく止まり」
鑑賞:「蹔」は「暫」と同じ意。「下」は「止」の誤字の可能性あり。
「飛」は一際大きく全体を覆うように書かれて迫力がある。いづれの点画もじっくりと運筆して重厚さも感じられる。
「數」は黄庭堅が蘇軾の字を横に潰したようなと評した特色が顕著である。
参考文献:蘇軾集 二玄社