蘇軾の絵画論を書く(5)その二

5.この画人は

釈文:「若人富天巧
    春色入毫楮」

現代語にすると「これを描いた人は自然な巧みさに富み、
        春の景色が筆と紙に表れている。」

鑑賞:「富」はこの場合、金銭的な裕福さではなく、「天巧」が豊かに備わっているの意。

「天巧」自然な巧みさという一見相反するように思えることを両立させた画工なのだろう。「毫」は筆、「楮」は楮紙のこと。

参考文献:中国絵画入門 宇佐美文理著 岩波新書