続・前赤壁賦を臨書して(12)蘇軾の意を読む
12.この清らかな風と
釈文:「(惟)江上之淸風与山閒之明
月耳得之而爲聲目遇
之而成色」
書き下し文は「(唯だ)江上の淸風と山閒の名月とは、耳之を得て声を為し、目之に遇いて色を成す。」
鑑賞:「耳得之而爲聲」耳が聞けば音の響きとなる。
「声」の字は日本の常用漢字であるが、元来は省略体の俗
字であった。漢字として記載の際は注意が必要である。
「目遇之而成色」目は見れば美しい景色となる。
参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明著 二玄社