続・前赤壁賦を臨書して(9)蘇軾の意を読む
9.変わらない立場からは
釈文:「自其不變
者而觀之、則物与我皆無
盡也。」
書き下し文は「其の變ぜざるもの自りして之を観れば、即ち物と我と皆盡くること無きなり。」
現代語にすると、「一方で、すべてが変わらないという見方からは物も我々も無くなってしまうことはないのです。」
鑑賞:「觀」偏の部分は目の周囲が赤いコウノトリの象形。其のように大きく目を開いてよく見るの意。本文でも大きく太く強調されて書かれている。左に傾いた字形は動きがある。
参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明著 二玄社