続・前赤壁賦を臨書して(4)蘇軾の意を読む

4.ほんのわずかな間の

釈文:「哀吾生之須臾羨長江之
    無窮挾飛仙以遨遊抱
    明月而長終知不可乎驟(得)」

書き下し文は「吾が生の須臾(しゅゆ)なるを哀しみ、長江の窮まり無きを羨む。飛仙を挟みて以て遨遊(ごうゆう)し、明月を抱きて長(とこしえ)に終えんこと、驟(にわ)かに得べからざるを知り」

鑑賞:「長」はこの中に二箇所出てくるが、「長江」は右払いがのびのびとゆったりとしているのに対し、「而長」は終画を抑えこじんまりとしている。下へ続く文字の関係を思われるが、変幻自在である。

参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明著 二玄社