弟子の黄庭堅はひたすらに(8)松風閣詩巻から

8.山川は

松風閣詩巻 黄庭堅筆 祥香臨

釈文:「山川光キ為我妍
    野僧旱キ不能セン」

書き下し文は「山川の光キ 我が為に妍なり
       野僧 旱キ センすること能わず」

現代語にすると「山川は光り輝いて我々のために美しい装いを見せる。いなかの僧は日照りの凶作でお粥もすすれない。」

鑑賞:「妍」女偏の横画は左へ張り出して、左の行の余白へ狙いを定めているようである。

参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明著 二玄社