続・蘇軾にみる精神性(8)黄州寒食詩巻(其のニ)より

8.作者の人格

黄州寒食詩巻 蘇軾筆 祥香臨

蘇軾は「書は然るべき立派な人物でなければ、いかに上手でも尊ばないのである」という。これは書の評価を、作品に形によらず、作者の人格によるとする。

また、彼は筆法にもあまり、こだわらりがなく「我が書は意もて作りたれば本より法無し」と言っている。

そして、蘇軾はその「人格の表出」としての書画を高く評価し、文人が描いた「文人画」が成立していく。

参考文献:蘇軾集 大野修作 二玄社
     中国絵画入門 宇佐美文理著 岩波新書