弟子の黄庭堅はひたすらに(1)松風閣詩巻から

1.黄庭堅は

松風閣詩巻 黄庭堅筆 祥香臨

黄庭堅は北宋、江西の人で詩人・書家。字は魯直、山谷道人と号する。代々進士を輩出した名家に生まれ、蘇軾に師事した。

その書は、蘇軾と共に顔真卿以来の革新的な書風を追慕したが、黄庭堅はさらに顔公のなかに王羲之・献之の逸気を見出そうとしている。

さらに、黄は筆法を追求し、草書の道を進めた。師の蘇軾が筆法にあまりこだわらなかったのとは対照的である。黄庭堅は自らも顔公の超絶した気象にかなうよう、良く書を学び、筆力を鍛錬した。

参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明著 二玄社