西行筆と伝えられる山家心中集は(9)臨書して
9.おほかたの

釈文:「おもひしる人ありあけのよなりせば
つきせずみをばうらみざらまし」
用字は「於裳ひ志る人あ利あ介のよ奈可
せはつきせす見をはうら見佐ら
まし」
鑑賞:始まりはゆったりと連綿も長めであるが、行まるには畳み掛けるように接近して緊張感が生まれている。特に二行目の文末に「佐ら」をおき、三行目に「まし」を添えたことで密度が高まり重心が下がり落ち着いた。
参考文献:山家心中集 伝西行 二玄社