西行筆と伝えられる山家心中集は(2)臨書して

2.「伝山家心中集」は

伝山家心中集 祥香臨 

「伝山家心中集」は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて書き写された現存最古の写本である。筆者を西行と伝えている。

巻首の内題「山家心中集 花月集ともいふべし」と、それに続く「花 三十六首」の部位の題と歌数の部分が藤原俊成の筆跡で、冷泉家に伝来したといわれている。

では、本文の筆跡は誰だろうか。その書風の違いから三種類に分けられる。西行の真蹟である「一品経和歌懐紙」(京都国立博物館蔵)と比較して、自筆とは認めがたい。

参考文献:山家心中集 高橋佑次解説 二玄社