遠いところへ旅に出ようと(1)建礼門院右京大夫集を書いて
1.旅を企画するも
これまでの資盛との懐かしく甘美な思い出が残る都という地を離れてみたいと思う作者は、
釈文:「なぐさむことはいかにしてかあらむなれば、あらぬ所たづねがて
ら、遠く思ひたつことありしにも、まづ思ひ出づることありて、」
選字は、「な久沙無ことはい可耳志て可阿らむ奈
連八あ羅ぬ所多徒年可てら遠久思ひ
出つるこ登あ里て」
大意は、「自分の心が慰めるには、どうしたらいいだろうと思って全然違う
所を訪ねがてら、遠く旅に出ようと思い立ちましたが、都落ちの
時の資盛のことを思い出して」
参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社