大原に建礼門院を訪ねて(8)建礼門院右京大夫集より

8.それにしても

建礼門院右京大夫集 祥香書

釈文:「その人々にも、『さてもや』とばかりぞ、われも人もいひ出でたりし、
    むせぶ涙に溺れて、言もつづけられず。」

選字は、「處の人々爾も沙てもやと者か利そ王連毛
     人もい日出て多里しむ勢布涙二お本れて言も
     つヽ希羅連寸」

大意は、「その人々も、『それにしてもまあ』と私もお仕えする人も口に出した
     だけで、咽び泣く涙で言葉も続けれません。」

 見知ったお顔もあることから、涙にくれるばかりの作者とお仕えする人々との
 再会となりました。
 
 参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社